ゴンドラの唄
日本で「ゴンドラの唄」と言ったらこれ。
黒澤明監督の映画「生きる」の中で、志村喬扮する主人公が夜の公園のブランコをこぎながらうめくように歌う「ゴンドラの唄」。
「いのち短し 恋せよ少女」で始まるこの曲は、大正4年に作られました。作詞が吉田勇、作曲が「カチューシャの唄」や先日「みんなで歌いましょう」で歌った「砂山」などの作曲で知られる中山晋平。
もともとは芸術座の公演のために作られたもので、ヴェネチア民謡風にとの注文に応じたためか、西欧の舟歌に則って8分の6拍子で作られていますが、この拍子は当時としては画期的だったのではないでしょうか。
同じ「ゴンドラの唄」でも東京混声合唱団が歌うとこんなにスマートになります。
「生きる」の名場面もお楽しみいただけます。
Direttrice
蛇足
前回の「F. Mendelssohn: Venetianisches Gondellied Op. 30 n.6」を先生が紹介された時、私もこの中山晋平氏の「ゴンドラの唄」、そして黒澤明監督作品「生きる」を思い出しました。主人公が夜の公園のブランコをこぎながら歌う「ゴンドラの唄」名場面ですね!1952年白黒作品。もう70年前の映画になります。最近良く思うのですが、フィルム映画が制作から半世紀以上経っても、フィルムの中の世界がなんと美しいことか。今はデジタルカメラですが、当時のフィルムの性能がいかに高かったか分かります。最近は古いフィルムをデジタル処理をしての傷やノイズを除去して、撮影された当時のクオリティで見ることができます。その画面のなんと瑞々しいことか!映画は永遠に生き続けます。そして感動も永遠です。先生ご紹介ありがとうございました。
aochan
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